城の防御ということを考えるとき、出入り口である虎口をどう守ればよいのかがポイントとなる。万が一的に城まで攻め入られても本丸に近づくことができないように、桝形虎口を作ったり、本丸の周囲に二の丸と呼ばれる建物を作ったりといった工夫がこらされた。

そうした工夫の一つに挙げられるが、虎口の外側に囲いを築く「馬出」である。馬出の利点は、第一に場内の様子が敵からさえぎられることで、攻め出る時の様子など陣内の手の内を知られなくて済むこと。そして、敵が攻め入るにはこの囲いを迂回して侵入しなければならないので、手間取っている敵を迎撃することができる点だ。更に自陣から出撃する際の拠点としても活用され、兵士たちを守る役割も果たした。つまり、馬出は防御と攻撃の両面を兼ね備えた構造になっているのだ。

形状は大きく二つあり、丸く土塁を築いた丸馬出と四角く陣地を作る角馬出だ。丸馬出は土で作るのが基本だが、角馬出の場合は石垣で固めたものもある。前者は武田氏が、後者は北条氏が多く築いたといわれている。

現在では、篠山城(兵庫県)、松本城、名古屋城などの馬出が有名である。なかでも篠山城では、石垣造りと土塁による計3つの角馬出を見ることができる。

小田原城や広島城には大規模な馬出曲輪があるが、これは通常の馬出がさらに発展したものだ。また、四方向の虎口から敵を1か所に追い込む辻馬出というものもある

0