対処法の基本は睡眠薬
不眠で悩む人が医療機関を訪れた場合、医師は診察をし、まず不眠のタイプと状況を診断する。そして、大抵の場合は、基本の治療のひとつである薬物療法、つまり睡眠薬を処方数することが多い。

いろいろな種類の睡眠薬の中から効果的なものを選択して処方し、睡眠の状況を改善しようと試みる。作用の仕方、効果の現れる時間の長さなどそれぞれ特徴があり、効果にも個人差があるので、ある人には効果があっても別に人には効果がないということもある。

「睡眠薬」という言葉には、なにかしら抵抗を覚える人も少なくない。それは、乱用によるトラブルや犯罪、あるいは依存症といったマイナスイメージがあるからだろう。しかし、ひと昔前の睡眠薬にあったような副作用の強いものを処方されることは現在では殆どない。安全性に関しても研究が進んだ結果である。

医師の診断に基づいて適切に使用すればとくに心配するようなことはまず起こらない。勝手に判断して薬の服用をやめたり量を調整したりすることはよくない。医師に相談しながら調整し服用するようにすればいいのである。

睡眠薬の種類
以前は睡眠薬といえば、バルビツール系と呼ばれる薬が主流だった。ただし、バルビツール系の薬は副作用が強く、また安全性についても課題があったが、これに代わる薬もなかったので多く使われていた。

その後、バルビツール系の薬と比べると大きな副作用がないベンゾジアゼピン系と呼ばれる薬が開発され、今では処方されることが多くなっている。とは言えベンゾジアゼピン系の睡眠薬にも副作用が全くないというわけではなく、物忘れ、ふらつきなどの症状がある。

最近では非ベンゾジアゼピン系と呼ばれる依存度が弱い安全性のより高い薬が登場し、こちらが多く使われるようになってきている。非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はベンゾジアゼピン系睡眠薬と同じように、脳の大脳辺縁系にあるベンゾジアゼピン受容体に作用し睡眠をもたらすが、化学構造式がベンゾジアゼピン骨格を持たないので、このように呼ばれている。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬
種類 一般名 主な商品名 剤形/規格
超短時間型 トリアゾラム ハルシオン 0.125㎎錠、0.25㎎錠
リルマザホン
塩酸塩水和物
リスミー 1㎎錠、2㎎錠
短時間型 ブロチゾラム レンドルミン 0.25㎎錠、
ロルメタゼパム ロラメット 1㎎錠
中時間型 エスタゾラム ユーロジン 散剤、1㎎錠、2㎎錠
フルニトラゼパム サイレース 1㎎錠、2㎎錠
ロヒプノール 1㎎錠、2㎎錠
長時間型 ニトラゼパム ネルボン 散剤、5㎎錠、10㎎錠
細粒、2㎎錠、5㎎錠、10㎎錠
ニメタゼパム エリミン 3㎎錠、5㎎錠
フルラゼパム塩酸塩 ダルメート 15㎎カプセル
ベノジール 10㎎カプセル、15㎎カプセル
ハロキサゾラム ソメリン 細粒、5㎎錠、10㎎錠
クアゼパム ドラール 15㎎錠、20㎎錠
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
種類 一般名 主な商品名 剤形/規格
超短時間型 ゾピクロン アモバン 7.5㎎錠、10㎎錠
ゾルピデム酒石酸塩 マイスリー 5㎎錠、10㎎錠
バルビツール系睡眠薬
種類 一般名 主な商品名 剤形/規格
中時間型 アモバルビダール イソミタール原末 末剤
ペントバルビダール カルシウム ラボナ 50㎎錠
長時間型 フェノバルビダール フェノバール 末剤、散剤、30㎎錠、液剤
その他
複合剤 ベゲタミン-A配合錠 錠剤
複合剤 ベゲタミン-B配合錠 錠剤
複合剤 ヒダントールD配合錠 錠剤
複合剤 ヒダントールE配合錠 錠剤
複合剤 ヒダントールF配合錠 錠剤
複合剤 複合アレビアチン配合錠 錠剤

(出典:あなたに合う睡眠薬と精神安定剤
~つづく~

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