10月末、手術後初めて病院に行ったとき、創を検査してサージカルテープを替えてもらった後先生から、病理検査の結果が出るまで今後の治療方針が決まらないのでそれまで待つようにと言われていました。そして、先週、その結果を聞く日がとうとうやってきました。

病理検査とは、病気(疾患)の診断や原因(病因)の究明を目的として、手術または検査の目的で採取された臓器、組織、細胞などを対象に顕微鏡等を用いて詳しい診断を行うことである。同義語に病理診断、組織診断、病理組織学的診断などがある。

病理検査の対象となるのは人体から得られるすべての臓器、組織、細胞、分子、遺伝子等である。他の検体検査が物質量の測定が主体であるのに対して、病理検査は病変の観察によって行われる。詳しく観察するために、ルーペ、光学顕微鏡、電子顕微鏡等の道具を用いる。細胞や薄く切った組織に染色(特殊色素で色を付ける)を施して病理標本を作製することで顕微鏡での観察が可能になる。

本人だけではなく必ず家族も一緒に来るようにと言われていたこともあり、どんなことを言われるのかと一抹の不安を抱えながら、病院に出向いたのでした。はたしてその結果は、結論からいうと、ほっと胸をなでおろすことができる内容でした。

腫瘍のサイズが4㎝とかなり大きかったので、手術では乳房の部分切除ができなくて全部摘出ということになったのですが、浸潤はなく、転移もないであろうという診断だったため待っている間の不安もそれほど大きくなく、結果は期待していたものに近いものでした。

今回の病理検査結果を自分なりに分析してみると次のようになると思っています。

結果は、悪いことと良いことの両方があった。まず、悪いことは、”核異型度”いわゆる「がん細胞の顔つき」と言われるものが、1、2、3段階の”3”と最も悪いものだったこと、それと、サブタイプ分類でいう「HER2」(がん遺伝子のひとつ)が 0、1+、2+、3+の4段階のうち最も悪い”3+”であったと聞き少し驚きました。

もし、浸潤性であればがん細胞がもっと悪さを発揮して患部を攻撃するので、治療もそれなりに長引いたはずです。放射線治療や薬物治療となると時間もかかるし、遠方の病院に通うこと、そして何より精神的な負担が大きく影響して生活が一変していたと思われます。

更に、このような悪い顔つきのがん細胞が体の中にできたという事実は消すことができません。体質なのか生活習慣が原因なのかわかりませんが、再発の可能性も大きいので、その不安が常につきまとうことになります。

次に良かった点は、とりもなおさず浸潤性ではなかったことにつきます。先生の説明によると、上記の悪い顔つきのがん細胞は通常、浸潤性のがんで評価されるものなので、今回のような非浸潤性のがんの場合は、あくまでも参考値としてとらえるだけでよく、気にしなくてよいとのことでした。

つまり、がん細胞が通常の細胞に悪さをする度合い(顔つきが悪いほど強力に作用する)を測るものなので、浸潤がなかったということは、もうその細胞は体の外に切り取ってしまっているから関係ないということです。そして、放射線治療や薬物治療も不要との判断であとは経過観察でよいとのことでした。

今回の場合、間違いなく乳房のがん・悪性腫瘍(悪性新生物)ではあったものの、浸潤、転移がなかったため長い治療が不要になりました。昨年も、がんのため腎臓をひとつ全摘しており体調も万全でない状態なので、これで済んだことは不幸中の幸いだったと思います。ほっとして、経過観察のための半年後の予約をとって帰宅したのでした。

ただ、睡眠障害は依然として続いており、時々一睡もできない日があるので、まともな日常生活を取り戻すには、もうしばらくかかると思われます。少し運がよかったといっても、大きな手術をしたことは間違いないし、ここは、焦らずじっくりと養生して元気になってほしいと思うばかりです。

私たち夫婦は60歳半ばまで、ほんとうに健康で大きな病気はしたことがなかったこともあり、病気に関する知識もほとんどなく、実際に病気になった時の対処の仕方も全く持ち合わせていませんでした。この1年(足掛け2年)で随分多くのことを学び、今も知識のなさを埋めるために少しづつまた学び始めています。この経験が少しでも役に立つように備忘録としてここに記しています。

 

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