先に紹介した美術工芸品絵画「那智参詣曼荼羅」が、同じく「熊野観心十界曼荼羅」、及び美術工芸品歴史資料「紀州熊野捕鯨船屏風」とともに、このほど和歌山県教育委員会により、県の文化財に指定されました。

今回指定を受けた「那智参詣曼荼羅」と「熊野観心十界曼荼羅」の幅は新宮市熊野川町の正覚寺所有で県立博物館に所蔵されています。

「参詣曼荼羅」は寺社の景観を霊験・伝説に因むモチーフとともに描いた絵画で全国に40種、100件以上確認されているが、最も多いのが「那智参詣曼荼羅である。年代が確認できる最古の修理記録は慶長元年(1596)となっており、このころまでには成立していたとみられている。

「熊野観心十界曼荼羅」は人間の一生を山形にたとえた「老いの坂」をはじめ、施餓鬼(せがき)供養や四聖=仏・菩薩・縁覚・声聞=、六道=天・人・修羅・畜生・餓鬼・地獄=などが描かれている。民衆向けの絵解き用としてつくられ、17世紀ごろに定型の図が成立したと考えられている。

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