1999年に、ツアーに頼らず自ら企画するイギリス自由旅行を敢行した「コッツウォルズ紀行」を掲載しましたが、実はこの旅行についてのいくつかのエピソードや感想があります。随分と昔の話で恐縮ですが、書きためたものをいくつか紹介しています。
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レンタカー事件

旅も残るはあと一日、明日の夕方にはヒースロー空港を飛び立って帰国の途につくという日のことでした。旅行費用を出来るだけ抑えつつ自由旅行を楽しむという企画はうまくいったのだろうか。少し余計な買い物をしすぎたかなと思いつつ、残金と領収証のチェックを始めた。

二日前のチェックでは40ポンドほど計算が合わず、スッキリしないままでいたのだが、それはストラットフォードで飛び込みで泊まったB&Bの宿泊料だとわかった。レシートを貰わなかったために忘れていたのだ。

やっと計算があったとホットした瞬間に、ふとレンタカーのレシートが目に入った。なに? 合計206ポンド!? あれ、ちょっと高過ぎないか。たしか170ポンドほどのはずなのにと思いつつ明細をチェックしたところ、よくみるとFuel Purchase Option 29ポンドとある。満タンで返したのにガソリン代が請求され、しかも支払ってしまっている。そんな馬鹿な! あの時、ヒースローで満タンで返すといったらOKといったじゃないか。 これじゃ詐欺だ~!

車を返した時にレシートをチェックすべきだった。 その時点でクレームしておけばこんなことにはならなかったのに・・・と後悔する。悔しい!日本で事前予約した時に、保険のことや、道路税のことなど説明があったが、そういえばガソリンのことは一切何も聞かなかった。電話ででも出来る予約を、初めてだからわざわざ事務所まで来ましたという客に対して、日本の満タン返しと全く違う方式を説明しないのはレンタカー会社も不親切である。

冷静になって考えてみよう。 確かに、最後に領収書に目を通さず何のクレームもしなかったのは当方の不注意だ。しかし、客が「満タン返し」といったことを確認して契約書を作っておきながら、ガソリン代を請求しているのは完全に先方の不注意ではないか。契約書のコピーをよくチェックしたところ、Fuel Purchase Optionの欄にある accepted £0.58 p/L(+vat)の acceptedを一本の線で消してある。更にその上に先方の事務員の字で「RETURN FULL」と書いてあるではないか。

ストラッドフォードで最初に満タンにした時のレシートも、返す直前にヒースローのBPで満タンにした時のレシートも幸い残してある。よ~し、これだけハッキリ証拠があればクレーム出来るだろう。帰国時に空港のHertzに立ち寄ってクレームしようと心に決めた。

さて、帰国当日の午前中はほぼフルにBritish Museumで過ごし、いよいよ帰国の為ヒースロー空港に行く。今回の自主企画の旅はすべて順調にいったのに唯一失敗したのがレンタカーのガソリン代二重払い事件である。これが解決しないといつまでも心に引っ掛かりが残り気分が悪い。

昨日ホテルで決心した通り、勇んでHertzの空港カウンターに行った。実際に車を借りたのは、空港からバスで5~6分のところの事務所だが、この時は時間節約のため空港内のカウンターに行った。3組ほど先客がおり、並んで待つことにした。

一組の手続きが終わるのに大変な時間がかかりあっというまに30分が過ぎた。こんな事をしていると出発に間に合わなくなる。いらいらしながら待たされてあと一人になった時にはもうチェックイン直前の時間となった。

前の中国人にわけを説明したら快く順番を譲ってくれて感激した。さて、すべての事情を説明すると、ちょっと待って下さいといって、目の前のパソコンにカタカタ打ち込んで調べている様子だったが、結局返事は「ノー」だった。理由は、事件はすでに3日前のことでパソコンにデータがなくチェックできないという。この回答には驚いたと同時に落胆した。

明らかにダブルペイメントです。腹の虫がおさまらないので、一目瞭然の証拠書類を見ても対応しようとしない事務員に、次の事を口早に言い残して立ち去りました。

1) 「契約書の中の acceptedを消した線と その上に書いてある「RETURN FULL」はいったい何だ? これを書いたのは私ではなくお宅の事務員だよ。

2) Petro Stationに支払った時のレシートも全部あるぞ!。

3)お宅の会社のこのナンバープレートの Toyota Corolla 1600はリッター当り何マイル走るかわかるだろう?Corollaを返した時に記録されていた走行マ イル数をリッター当りのマイル数で割れば、合計何リッター必要であったかわかるはず。

4)これらの事実を勘案すれば、私の主張することの正しさが証明されるはず。

と、口角泡を飛ばし説明した。結局、あとは帰国後に、日本Hertz経由でクレームするしかなくなりました。

帰国後、まもなくして日本Hertzへ行き、上記の事情をすべて説明しHertzロンドンにクレームを要請した。 時間がかかるかもしれぬがやってみるということだった。思いのほか早く1週間ほどで結論が出た。結果は、大勝利!かくして二重取りされたガソリン代は返却されたのでした。

日本Hertzの言うことには、契約書に acceptedを消した線と「RETURN FULL」の文字が鮮明に残っていたから取り戻せたが、これがあいまいであったなら無理だったでしょう・・・とまるで他人事である。結果的には、溜飲を下げることになったが、もしこの二重払いが返却されなかったら、ホームページで世界に向かってこの事実を発信してやろうかとまで考えました。でもそのような行為は、時にクレーマー扱いされそうだし、幸いそうはならなくて済んでよかったと思いました。

みなさん、この話はこれから海外でレンタカーを借りる時にきっと何度も起こる話だと思います。そしてこのような場合、日本人は「まあいいか仕方ない」とあきらめてしまう傾向にあるような気がします。正当なことは諦めないで交渉しましょう。

念のために書き添えますと、返却時にガソリンがどれだけ残っていても、その分はレンタカー会社のものになり、返金は一切ありませんのでご注意を!

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